第6回新PSG睡眠塾(岡山) 参加記

 岡山で開催された睡眠塾に参加いたしました東京都監察医務院の小林と申します。今回の睡眠塾は、リピーターの参加よりも初参加が多いとのことでしたが、私は昨年も参加しましたリピーターです。知った顔ぶれが少なかったことは淋しくもありましたが、睡眠塾の輪が広がっていったことにスタッフ同様の喜びも感じています。
 私の睡眠塾との繋がりについて初めに書かせていただきます。以前勤務しておりました都立荏原病院で「睡眠外来」なる専門外来が立ち上がりましたのは2004年でした。まずPSG機械が購入され(年度末の残った予算消化?)業者が装着、自動解析を行っていました。検査科に仕事が増えるときのいつもの手というか・・・・装着だけでいいからと、装着が始まりました。そして優秀な検査技師?が自動解析の矛盾に気付いてしまったのが運のつき、睡眠と深い関係になりました。そこでお世話になったのが、睡眠塾でした。
 それでは、今回の内容についていくつかの講義をまとめてみたいと思います。受講を迷ってこの参加記をクリックした方は、きっと参加したいと思われることを願って。


第1日目(10:00〜19:00)
※ 睡眠医学における共通言語としてのPSGの位置づけ
 睡眠医学は本当に新しい学問だと再認識させられます。人間はずっと昔から寝ているのにREM睡眠の発見が60年前、最初の脳波記録も85年前!日本での睡眠研究はこの30年間で劇的に変化したことが手に取るようにわかります。人類が糖尿病の存在を知ったのが紀元前1世紀といわれているのと比較するとつい最近のことのように感じます。今もスコアリングマニュアルが刻々と変化しています。1999年シカゴクライテリア→2001年AASMメディケアクライテリア→2007年AASMマニュアル→2012年AASMマニュアルver2→2013年AASMマニュアルver2-02 この5年間の変化は全くついていけません。さいごの2つのマニュアル改正はこの研修会で知ったほどで、日本はアメリカの動きを傍観している感じですね。この研修会のイントロダクションは、睡眠をめぐる世界の動きや日本の動きを知ることから始まりました。

※ 簡易呼吸モニター AHIの注意点、利用方法
 「PSGをキッチリ理解することで簡易モニターが有用になる」というメッセージに拍手をしたいと思います。解析のやり方を理解するのは簡易モニターの方が難しいと痛感しました。センサーが少ない分、想像力を働かせないと睡眠中の無呼吸の事象を捉えられないということに、多くの参加者がうなずきました。「同じAHIでもPSG所見は違う」という症例提示で、AHIという計算値のマジックについても詳しく説明があり、有意義な講義でした。


第2日目(9:00〜12:50)
※ PAP療法導入の基本事項、PAP継続のための技術、PAP療法のノウハウ
 CPAP導入に技師が係ることの重要性を3つのセクションに分け講義頂きました。特に継続のための技術では、患者さんに合ったマスクを選ぶことから、日頃のメンテナンス指導まで学ぶことができました。使用説明書では伝わらないコツなども、ベテラン技師から伝授してもらえるという、他にはない講義内容です。自分で経験するには、何年もかかることが、この講義で「へ〜」「なるほど」という気付きを得ることが出来るのです。講師の方が同じ経験をされた技師という敷居の低さも魅力です。

実習について
※ PSG実習
 普段は目にすることの無くなったペーパーでのPSG記録を、5〜6人で睡眠段階のスコアリングをしていきます。班には講師がいますが、みんなが意見を出し合い考えていく場という形でスコアリングしていきます。「スコアリングに正解はない」とメンバーの方が言っていましたが、まさしく脳波は生きているかのように流れるもの、汲み取るように睡眠の深さがどうなりたいのかを皆で話しました。arousalもREMの眼球運動も自分の物差しの確認ができます。自信が無い人には、他の人も悩んでいるのだと知ることが大切かもしれません。「迷ってもいいけど悩まない」これも講師の方にいただいた言葉です。

※ CPAP実習
 たくさんのCPAPマスクを比較でき、実際に体験できる。この実習の売りだと思います。患者さんがどうやったら抵抗無く使用できるかのコツをつかんで帰ることができました。目からうろこのコツでした。うまく表現できませんので、是非是非、来年教わりに来てください。

 最後に宣伝をさせてください(やらせではありません、リピーターの正直な感想です)
 睡眠塾の良いところは、根気よく教えてくれるところだと思います。教えるというよりも、一緒に学ぼうというところが睡眠塾のモットーである互師互弟の精神に繋がるところと思います。塾という怖い名前ですが、楽しく学ぶ集まりです。
 さらに、生徒同士が同じ悩みを共有して仲良くなれることです。大阪回生の村木さん(今回の講師)もそのお一人です。睡眠の共通言語PSGを知るには!ということで毎回趣向を凝らした講義や実習が行われ、リピーターをも飽きさせません。初参加の方には重すぎたかもしれませんが、リピーターになって、これからも一緒に学んでいきましょう。  

  監察医務院 小林記 
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