睡眠時無呼吸症候群が話題になっていますが、呼吸が止まったまま死んでしまうことはあるのですか?

まず、ないでしょう。医者はなかなか「絶対に」とはいえない職業なので、主治医に尋ねられても、歯切れの悪い返事が返ってくるかもしれませんが。
睡眠中に無呼吸が起こっても、ふつう約1分もすると必ず息苦しさや酸素欠乏のために、気がつかないぐらい短時間の目覚めが起こって呼吸が再開するので、無呼吸が長く続いてそのまま死んでしまうことはまずありません。睡眠時無呼吸症候群の方は、自分では気がついていなくても、多い人では一晩に数百回もそのような短い目覚めによる呼吸再開を繰り返しているのです。
多くの無呼吸はのどの奥で気流が遮断されるタイプの無呼吸ですので、無呼吸の時に胸やおなかを懸命に動かして空気を取り込もうと努力しています(これを呼吸努力と言います)。 こういった呼吸努力や、呼吸再開時の目覚め、酸素欠乏状態、睡眠の分断化といったことは、身体に負担をかけ、眠っているつもりでも、脳や身体はちっとも休まりません。無呼吸だけで、直接すぐ死に結びつくことがなくても、心臓が悪かったり、高血圧などの基礎疾患があれば、無呼吸のためにそれが悪化したり、或いは心筋梗塞や脳梗塞などによる突然死の引き金にならないとも限りません。この意味では、呼吸が止まったまま死ぬことはないにしても、あなどれない病気です。