第4回 Sleep Symposium in Kansai-Kumamoto 午後の部report

 立花先生より4th SSK午後の部の学会記の依頼をいただき、内容は自由とのことで、簡単に感想をまじえた報告をしたいと思います。

 もともとOHSNetに入会した動機は、睡眠学会海外研修員としてNew Yorkを中心とした数カ所のsleep disorders centerで研修をした時に、JFK Medical Center (New Jersey)のfree sleep schoolのような定期的な勉強会が日本でもあれば参加して、当院で睡眠医療をはじめる参考にしたいと思っていたところ、名古屋から行けない距離でもない大阪にOSHNetがあることを知ったことからでしたが、そのホームページでSSKの活動にも注目しておりました。今回のテーマがREM sleep Behavior Disorder(RBD)で、特別講演もDr Schenckということで、熊本はかなり遠いけど聞きに行かなければと思っていたところ、海外研修の内容をポスター発表してみてはという立花先生からの提案もあり、有意義な参加となりました。
 
 午後の部の第一部はRBDとその近縁領域ということで、神経内科・精神科・病理という3つの観点からの講演でした。RBDは最近は新聞などでも時々とりあげられており、外来をしていても、新聞で読んだRBDと症状が似ているということで受診される患者さんが増えてきております。そのような患者さんに対してRBDの診断・治療も重要ですが、その原因となっている病態を整理するのに今回の講演は大変役に立ちました。RBDがParkinson's diseaseをはじめとするシヌクレイン変性症の初期症状であるという観点から、RBDの方の認知機能・自律神経機能を報告された河村先生の講演は、RBDの診療に様々な示唆を与えるものだと思いました。今後もこのような観点から診療データを蓄積することにより、RBDが神経変性疾患の早期診断の一つの指標にもなるのかもしれません。2題目の池田先生のDementia with Lewy Bodies(DLB)の症候学についての講演は、DLBがあくまでも臨床診断であるという点から、様々なDLBの症候と最近の知見との関連で知識の整理ができたのではないかと思います。神経変性疾患においては、病理診断が意外な結果となることは時々みられ、臨床診断の精度をあげるためには臨床診断と病理診断のつきあわせが重要ですが、3題目の村山先生の講演はそのお人柄を含めて大変ユニークなものでした。高齢者ブレインバンクプロジェクトが今後も症例の蓄積によって、臨床に様々なフィードバックをもたらすのではないかと思いました。




 午後の第2部はポスターセッションで私は海外研修報告をポスターにまとめました。SLEEP 2008の学会記にも書かれていますが、米国ではHome Sleep Test(HST)の方向にむかっているようで、HSTでどれだけ医療費が安くなるかというHome Care Companyが持っていた社内秘の資料を、研修ということで米国ではどこにも出さないからと無理をいっていただいたのですが、ここならいいんじゃないかと、資料をひっそりと貼ってみました。HSTの方向性は、患者さんに対しては広く恩恵があり、Home Care Companyにも利益をもたらすのかもしれませんが、米国のsleep centerの経営は今後どうなるのか注視する必要があると思いました。


 午後の第3部は、今回の目玉といえるDr. SchenckのRBDの歴史と今後の展望についての講演で、RBDの権威といえる先生からRBDの概略についてお話が聞けたことは今回SSKを大変有意義なものにしたとおもいます。

 Get Together Partyでは、いろいろな分野の方から睡眠医療をはじめるのに大変参考になる情報収集ができました。




 熊本へは名古屋から20:30頃の新幹線に乗ると博多乗り換えで2:00AMごろ熊本に到着するということで、8月1日の金曜日はしっかりと仕事をしてから熊本に向かいました。講演の中で少し熊本の観光スポットも紹介されましたが、あまりの猛暑に外を歩くと倒れるんじゃないかと思い、日曜日は何もしないで帰ることに。帰りも5時間かけるのも芸がないんで、いろいろ調べたら熊本空港から小牧空港に向かう航空便を発見し、帰りは飛行機でした。
 
 SSKは昨年は金沢、今回は熊本と、次はどうなるかと思っていたらISMSJと名前をかえて丁度よい季節、場所となって開催されるとのこと、次回からもどんな会になるか期待しております。


名古屋医療センター 神経内科 岡田 久 記

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