第1回 ISMSJ学術集会参加記

 平成21年9月5日(土)に神戸にて第1回 ISMSJ学術集会が開催されました。
僕は関西電力病院で夜間のPSG業務をしている学生ですが立花先生のお誘いにより参加させていだきました。去年のSSK@熊本も参加しましたので当然、参加させていただく予定でしたが、予想外だったのは前日に行われた睡眠医学コーディネーター講習会、特別企画のMeet the Professors、および懇親会に参加したことです。
 なぜ金曜日から参加したのかというと、立花先生より、ぎりぎりになって欠員が出たために計画していたロールプレーがやりにくくなるので、それを埋める人が必要であり、かつ、若いうちにこういった外国の偉い先生方がいかに気さくに対等にお話してくれるかを体験しておく方が良いと強くすすめられたからです。

 コーディネーター講習会については省略させていただきますが、終始楽しく非常に勉強になる会でした。特別企画のMeet the ProfessorsはPeretz Lavie先生とLena Lavie先生がそれぞれのご専門についてお話され、15名程度の少人数形式となっていました。内容はOSASについてで、非常に興味深かったことはCPAPを高齢の方に適用するか否かの議論で65歳以上はoutcomeについては効果がないとおっしゃったことです。実際の調査からCPAPによる治療の有無で死亡率を比較したときに、65歳以上では変わらず、むしろ30-40代に対して死亡率を改善させることが判明したそうです。その考えられる機序は、ischemic preconditioningという、心臓に対して先行して短時間虚血を行うことで虚血障害に対して耐性が誘導されるというものを高齢の睡眠時無呼吸症候群の患者さんに当てはめ、CPAP治療による死亡率の不変を説明されていました。また無呼吸によっておこる酸化ストレスと血管内皮障害についても話されました。大学では再生医療と移植を研究しているので、思わぬ話にとても興味をひかれ、参加者全員が著名な方であったり、最初は通訳があると聞いていたのになかったり、いきなり一人ずつ自己紹介するように言われたりと「立花先生、こんなこと聞いていません!!」と思った最初の気持ちなんてすっかり忘れて楽しめました。

Meet the Professorsの様子
お二人からは研究の楽しさが伝わってきました

 二日目の第1回 ISMSJ学術集会は午前にSleep technical course 1(CPAP外来の実際について)とSleep technical course 2(糖尿病診療において睡眠医学は何ができるか?)の2演題がありました。どちらも医師と技師の両方の視点から話され、基礎知識から実際の問題点など非常に勉強になる内容でした。ランチョンセミナーのLena Lavie先生による御講演は「Oxidative stress and inflammation in metabolic syndrome and cardiovascular morbidity in sleep apnea」というテーマで、血管内皮細胞に対して間欠的に低酸素刺激を加えることでOSASにおける炎症の機序を明らかにされていました。午後にはPros & Cons1,2があり「PSGはOSASの診療に必要であるor 必要ない」「PLMSは存在するor存在しない」というテーマになっていました。このセッションで立花先生が話された、PLMSを数えることが重要ではなく、頻度や特徴、様子などの方が役立つということは普段、attendをしているときから言われているので当たり前になっていましたが、Pros & Consとして系統だって説明されると、とても重要であることだと再認識しました。最後にPeretz Lavie先生による御講演はOSAS発見についてで、前日のものをより詳細に話されたといった感じでした。特に、無呼吸による酸化ストレスと血管内皮障害が心疾患発症のkeyになることを強調されていました。
 講習会を合わせて2日間のフルコースは本当におなかいっぱいで、誘われていたデザート(19時から22時までCECのクレジット対象となっている別の講習会が用意されていました)を、さすがにお断りしてしまいました。しかし、先輩技師である丸本さんから楽しかったというのを聞いて、参加してもよかったかな、と思ったものです。
 非常にタイトなスケジュールでしたが、こんなにパワフルな学会は他に味わったことはありません。来年、東京で開催される第2回 ISMSJ学術集会も非常に楽しみです。2日間、お疲れ様でした。

大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 津田秀年 記