第5回OSHNet講演会へ参加して感じたこと

 平成22年7月11日、OSHNet講演会としては3度目(私にとって2度目)となる Phyllis C Zee先生のOSHNet講演会に参加する機会をいただきました。睡眠の世界では駆け出しであり、リテラシーの不足から一人では右往左往してしまう我が身ではありますが、恐る々々体験記を投稿させていただきます。

 7月11日当日朝、『OSHNet講演会は今回で5回目だが、Zee先生はえらく来ていただいている回数が多いな』と思いつつ、四国は阿波之国からバスに揺られて大阪にたどり着きました。

 正直なところ私は、英語は大の苦手です。苦手意識もあるし、読み書き以上に会話をしないといけない機会がないため、それに甘えて使ってきませんでした。そのため、概してこの手の外国人講師による講演会は苦手としていました。しかしながら、OSHNetでは同時通訳を付けており、『途中で分からなくなっても通訳があるから大丈夫なはず』と自己暗示をかけて参加申込書をFAXで送ったところ一番目の登録であったのはここだけの秘密です。

お話しされた中には興味をかきたてられるものがちりばめられていました。その中でもサーカディアンリズムに関し、日内時計が地球の自転時間と関係なく個体差を持っていることを科学的に実験し、説得力のある結果を提示されていたのには驚かされました。

 その一例として、Zee先生は細胞に蛍の発光に関する遺伝子を導入することでサーカディアンリズムが何時間かを測定する実験を提示されていました。示されたデータでは、別臓器の細胞であっても同じ遺伝子であれば、そのサーカディアンリズムは一定であり、遺伝子が違えばサーカディアンリズムも違ってくるというものであり、後天的な因子による影響を一顧だにしない明解なものでした。

 私の勉強不足な私見ですが、少なくない臨床家から基礎的な研究というものがあまり出てこない日本と比べて、今後の睡眠医療&睡眠医学の在るべき道というものを突き付けられたようでした。また、スリープヘルス(睡眠衛生)が非常に大切であり(メインディッシュ)、薬は補助にすぎない(付け合わせ)というスタンスは非常に健常全に思えましたが、今思い返すと日本の現状は…。質疑応答も含め、あっという間に時間が過ぎ去り、次こそは英会話能力を上げねばと思いつつ、講演会は終わりました。

 あと私事で恐縮ですが、わたし自身は医師であり、本年度より徳島大学病院神経内科医員かつ徳島大学医科学教育部医学専攻生(平たく言うと大学院生です)という身分です。幸い、日本では珍しく(といってもいいだろう)正常な睡眠医療に対する理解を持っておられる上司に恵まれたこと、また立花先生に導かれてこの道に入ることが出来たこと、講演していただいたZee先生に対し深く感謝します。

徳島大学病院 神経内科   谷口 浩一郎 記

 

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