第2回 子どもの眠り研究会報告

 日本小児神経学会学術集会のサテライトとして昨年より「子どもの眠り研究会」が発足し、今年は、東京お台場 ホテル日航東京を会場として「子どもたちの健やかな眠りが未来を育む」と題し、2回目の本格的な発表を含めた会として開催されました。出席者数は100名を越え、盛会となりました。小児神経科医のなかでも睡眠の重要性が広まってきた様です。

 今回は、アクチグラフを用いた発表が多かったのが特徴的に思えました。アクチグラフを用いている施設は概してPSGを行っていない施設が多いように感じました。アクチグラフで記録されたデータの意義付けがPSGやビデオの裏付けデータなしになされているところが多く、アクチグラフにdefaultでついているソフトを用いて浅睡眠、深睡眠と判定している発表もあり、機器の限界を見極めて使わないといけない、と感じました。そういうなかで旭川医科大学からの演題では産後1-2ヶ月の母親の睡眠リズムをアクチグラフで解析していましたが、産休の間の母親の生態を窺うことができおもしろい発表でした。日本の長い産休は、日内リズムを整えるための大きな要因である社会的なファクターを無くしてしまい、日内リズムの確立していない乳児のリズムに引きずられてしまうおそれがあり、産後うつの原因の一つではないか、とも個人的に思っておりましたので,こういうアクチグラフの使用法によって実態を把握するのは非常に正しい方法と思われました。こういう方法で、産後の母親だけでなく、日本国民の睡眠不足の証明には非常にいい手段であることを再認識しました。

 また、のるぷろライトシステムズからは電極の数を減らしたPSGの発表がありました。特に顎筋電図をあごではなくこめかみの下の咬筋でとっていたのは、日頃からの自分の疑問に合致して興味が有りました。咬筋は筋量も多く、特に子どもではよだれなどであごは電極が外れやすいため、咬筋で筋電図をとるのは非常に良い様に思えましたが、いかがでしょうか?

 認知機能との関連などの演題もありましたが、小児神経学会学術集会で純粋に神経学がベースにある場で開かれた研究会にしては、若干神経学との関連が少ない演題が多かったと思います。小児で睡眠検査を本格的にしている施設はまだまだ少ないためと思われますが、今後、ますます、神経機能の一つとしての睡眠学を広めていく必要性を感じました。

大阪大学医学系研究科 子どものこころの分子統御機構研究センター 
毛利育子 記


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