SLEEP 2007に参加して (体験日誌)
 SLEEP 2007(21th Annual Meeting of The Associated Professional Sleep Societies)は、ミネソタ州ミネアポリス ミネアポリスコンベンションセンター(Minneapolis Convention Center)にて、6月9日〜14日の6日間、同時にAAST(American Association of Sleep Technologists) 29th Annual MeetingもHyatt Regency Minneapolisにて6月10日〜13日に開催されました。今回初めて日本以外の学会なるものに参加しいろいろ体験したこと、感じたことを日誌ですが報告したいと思います。

 まずは参加の準備から
 平凡な検査技師をしている私がアメリカの学会集会に参加しようと決めたきっかけは、RPSGTの資格更新制度が今年から改正されたからです。CECを1年で最低5、5年間で50獲得しなければならなくなり、日本国内で維持するにはハードルが高くなってどうしようかと思っていた時にAPSSに参加すればCECを獲得できることがわかり参加を考えました。が到底一人でアメリカに行くことなど私にとっては難しいことでした。あきらめかけていたのですがアメリカに留学している友人の医師山内先生の助けもあり渡米を決心し、準備を進めました(3月頃から)。何からすればよいかわからず聞きながら進めることとなりました。まずは、休みの確保、それからアメリカのPSG技師会(AAST)に入会しメンバー登録する、登録後APSSに参加申し込む(そうするとメンバー価格で申し込め、申し込み期日によっても参加費等が違い、早く申し込むが方が安い)、このときに受講したい教育コースやWorkshopも申し込む、すべてネットでこんな感じですすみました。このほかに航空券・ホテルの予約と英語のわからない私にとっては大変でしたが、何とかめどがつき、いざアメリカへ・・・!


<6/9(土)>    ここからは日誌です
 関空出発。デトロイトで乗り継ぎミネアポリスに無事到着。初めての海外一人旅ドキドキ。山内先生とミネアポリス空港で2年ぶりに再会できた。ひとまずホテルへ、ミネアポリスには路面電車がありこれに乗り向った。チェックイン後、明日からの会場のコンベンションセンターへ場所の確認と受付を済ませにいった。AAST総会の会場(Hyatt Regency Hotel)はコンベンションセンターからSky Wayを歩いて4〜5分のところにあった。夕食後ホテルに戻り明日からに備えることにした。ミネアポリスは日本より日が長く夜は9時ごろまで明るく夜がこないって感じがした。時差ぼけもあるし今日は十分眠れるだろろうか・・?と思っていたがすぐに眠りに落ちた。長い長い1日だった。


<6/10(日)>
朝までぐっすりというわけにはいかず、やはり何度か目が覚めてしまったが今日からが本番!申し込んでいたAAST Postgraduate CoursesのBasic Courseに参加した。朝8時から約1時間づつの講義がみっちり10講義!資料がもらえたが分厚い!ほとんどの講師がRPSGTでありPSGの基礎的なことから安全管理・CPAPコンプライアンス・MSLT・MWT・睡眠疾患についてなど盛りだくさんの講義だ。講義中も受講者が質問しdiscussionを始めたり、日本ではみられないactiveな光景だった。残念ながら英語はなかなか聞き取れずもったいない気がした(日本ではこんなセミナーはないだろうな・・あればいいのに)。しかし夕方5時までは厳しい、時差ぼけ、眠気との戦いだった。夜は山内先生の仲間とスポーツバーで楽しく過ごせた。みんな陽気で優しい人ばかり。


<6/11(月)>
まずはCECを獲得するためのサインを忘れずに・・参加の確認がサインだけ?これでホントに大丈夫なのって感じでしたが。この日から本格的にポスター・口演発表が始まるためか、学会参加人数が急に増えた気がした。日本人もちらほら見かけた。午前中は、Clinical Workshopに参加。午後は、AAST Workshopに参加、このWorkshopのScoring SleepではAASMから発表された新しいマニュアルに準じての内容だったので参加者がとても多く会場から人があふれていた。他の会場では、Sleep Center、Technologistの教育プログラムのなどの話があったようだ。さすがにアメリカ! 日本には教育プログラムのように確立したものがない、技師も独学のようなものだからなあ。これからに期待しよう。講義中、会場では出入り自由、飲み食いもOKのようで日本では考えられないのでちょっとびっくり。会場の外にコーヒーなど飲み物サービスもあった。この日の夜は、某メーカーのパーティーがあり参加させてもらった。立食パーティー風で食事から飲み物(アルコールも)・デザートまでそろっていて堪能した。その後もダンスパーティー(生バンド演奏)などがあり参加者も多く初対面でも気軽に話をしたりお互い情報交換などしている様子。学会なのにお祭り騒ぎ・・って感じ? 残念なことに話しかけられてもしゃべれなかった・・・(>_<)


<6/12(火)>
すこし疲れを感じながらの学会3日目。午前中はAASTのSymposiaに参加した。日本からの技師さんと会い昼食を誘っていただいた。そこにはアメリカ在住の技師さんも来られ短い時間だったがお話することができた。RPSGTの資格更新について(日本睡眠学会などでのセミナーが認めてもらえるとかなり助かる・・)や新ルールについても日本でどう取り組んでいくのか?などが話題になった。アメリカに来てこんな風に顔見知りになり話ができてこれだけでも私にとっては成果。今後も情報交換できるといいなあ。午後からは展示場へ、大小さまざまな企業が多数出展しているようで、薬剤関係・治療機器・検査機器・睡眠グッズなど多さに驚いた。みたことのないC-PAPやマスクその他備品。C-PAPホースのカバーまで商品化されていてなんでもあり。検査機器に関しては新ルールに対応できるソフトの入ったものがあり、さすが最先端〜。コンベンションセンター会場の一角に求人広告の貼られているボードがあった。見てびっくり、RPSGT、Sleep Technologistの募集が多いこと、しかもコストが高額!アメリカ各地のSleepセンターや個人のクリニック・中には解析料1件の値段が書かれているものもあった。アメリカの中でもRPSGTは需要と供給のバランスが取れていないのだろうか?これを見るとアメリカで働くのも悪くないなあ・・なんて。
この日は、ディナーセミナーに参加した。7時ごろから2時間ぐらいかけて話を聞きながらの食事。資料もありセミナー中に内容に関してのクイズや質問コーナーなどで飽きさせない工夫?がされていた。


<6/13(水)>
学会参加最終日。時差ぼけはようやくなくなってきたかも。今日は山内先生のポスター発表なのでまずはポスター会場へ貼るお手伝い。月曜からの3日間毎日広い会場でポスター演題がありほかに口演も毎日、なんと多い演題数なんだろう。日本からの演題も何題かはあったようだ。その後AASTのSymposiaと午後からはInvited Lecturer(The AASM Manual for the Scoring of Sleep and Associated Events)に参加。今回1番の注目と言っていいのだろう新ルールについてのLecture、1時間ほどだったがすぐに過ぎた。会場はすごい熱気で、最後の質問には列ができるほどであった。みんな自分の耳・目で確かめに来ているのだろう。とにかく私はマニュアルをゲットし帰国してからゆっくりもらった資料と共に見直そう・・・。
この日の夜は、山内先生の留学先Cleveland大学の仲間うちのささやかな食事会があり参加させていただいた。ほとんどが医師だったが一人大学(Research部門)で働いているRPSGTが参加していて少し話ができた(なかなか会話はできないが)。日本の事情が知りたいようで、日本にもRPSGTが80人以上いるというと驚いていた。英語が話せず聞き取れないのにどうしてわざわざ来たのかと質問されRPSGTの更新のCECをとるためだと答えたら日本で資格更新が容易でないことを知らない様子であった(やっぱりアメリカの資格なんだなあ・・?)。でも自分は英語とSleepの言葉しかわからないけれどあなたは日本語もわかるので3つの言葉を知っているといってもらえた。この言葉には心から感激した。RPSGTの資格はできる限り維持しようとあらためて思った。


こんな感じで私のSleep 2007は終わりました。ほとんどAAST Meetingに参加していましたが、4日間びっしりSymposia・Workshop・Lectureなど講義が多様であり、今回はAASMの新ルールの講義が話題のひとつになっていた。APSSではComplex Sleep Apneaなどが注目されていたような気がします。展示場も大きく睡眠市場も日本では比べ物にならないくらい大きいのだろうと思えた。アメリカでは睡眠医療は確立していて、Sleep Technologist、RPSGTと呼ばれるほど専門技師の制度も確立していて社会的な地位も高いようである。教育プログラムもあるぐらいなのだから。日本の事情とは大きな違いである。睡眠に携わる技師もまだまだ少なく睡眠検査が少しずつ普及してきたところ。今回、私は幸運にもアメリカを体験し実感できその違いが肌で感じられた。


<クリーブランドへ>
学会終了後、山内先生の留学先クリーブランドを訪問しました。
ミネアポリスから飛行機で2時間半ほどのクリーブランドへ向かった。クリーブランドは五大湖のひとつエリー湖のほとりにある町で、オハイオ州の主要都市である。3日ほどの滞在だったが大学病院を見学させていただくことができた。まず大学の敷地の広さに驚きました。病院内に入ると待合ロビーはホテルのようにゆったりくつろげるソファーが置かれていて病院とは思えない感じでした。あいにく睡眠外来は休診でしたが、診察室、PSG検査室を見せていただきました。廊下に貼られているポスターも芸術的な感じがした。外来診察は完全予約制で、1日の患者数も限られているようである。診察室は個室になっていて、診察台と椅子2, 3脚とパソコン・処置用のカートがあった。PSG検査室は2部屋あり、日本の個室の2倍以上ありそうな広さで、シャワー室、トイレしかも車椅子が入れるように完備されていて、もちろん救急カート・DCもありました。日本の施設、少なくとも私の施設とはすべてが違う!1晩2名検査し、検査技師の出勤は夜の8時ごろでその後患者が来院されるようだ。検査室の入り口にはRPSGTの認定証が額に入れて置かれていた。検査に必要なセンサーや備品は日本と同じようなものを使用しているみたいだった。ひとつ思ったことはベッドが比較的横幅が狭いなあと体格のよい人には体位を変えるのが困難ではないのかなあ・・・?と。

専属の技師とは会えなかったため話を聞くことができなかったのが少し残念だったが、アメリカの病院施設を見学でき、貴重な経験だった。


<帰国>
滞在が1週間以上になると時差ぼけもなくすっかりアメリカ時間になじんでしまった。
帰国後がまたたいへんだ。
帰りはちょっとアクシデントがあり一時はどうなるか・・と心配したが、無事に日本関空行きの飛行機に乗ることができた。
帰国後はまたいつもの生活に戻ることになるが、少しはちがうかなあ・・・?


<最後に>
見たこと思ったこと思いのまま綴りました。すべてが初めてのことで準備から大変でしたが、いろいろ経験でき思い切って渡米してよかったと思っています。この経験をどういかすかはわたしの今後の課題です。今回アメリカ行きに協力いただいた山内先生、私を快く送り出してくれた病院のスタッフ、滞在中お世話になった方々には心よりお礼申し上げます。


(天理市立病院 千崎 香 記)

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