activity新PSG睡眠塾

OSHNet第13回新PSG睡眠塾参加記

 徳島大学病院脳神経内科の土師正太郎と申します。脳神経内科において、レム睡眠行動異常や多系統萎縮症の高調性吸気性喘鳴など、睡眠中に表れる症候には重要なものがあります。しかしながら、私は睡眠中の患者さんの症候を目の前で見ることはあまりなく、PSGを読んだこともありませんでした。今回、上司を通じて新PSG睡眠塾に参加する機会をいただき、初学者にもわかりやすく、興味深い講義の数々の下、非常に有意義な時間を過ごすことができたことに感銘を受けました。今回参加記を書く機会をいただきましたので、その感想の一部をまとめてみたいと思います。

第1日目

 「PSGのstagingの基礎の基礎」(実習イントロダクション)
 PSGの電極の位置やセンサーに始まり、工程や解析、睡眠変数やHypnogram、睡眠スコアリングについて解説がありました。初学者にも分かりやすい説明で講義が進められ、実際の波形を見ながらスコアリング方法を提示していただきました。この講義のお蔭でPSG自習へもスムーズに入ることができたと思います。

 「PSG実習」
stagingの講義の後、各班に分かれてPSG実習に入りました。班は実際のPSGをみながら、講師の先生によるスコアリングが進められ、専門家の先生の実際の判読方法とそこに至るまでの考え方を教えていただきました。エキスパートの先生の思考に触れられる得難い経験だったと思います。

第2日目

 「睡眠診療に従事する人に知ってもらいたい睡眠中のいろいろな事象」
 ICSD-3(睡眠関連疾患国際分類第3版)の紹介から、各疾患の動画やPSGを提示いただき、重要な知見を踏まえながら講義いただきました。問診では聞きだすことが困難なレストレスレッグス症候群の存在や、閉塞性睡眠時無呼吸により悪化していた入眠時固有感覚性脊髄性ミオクローヌスなど、日中の外来だけではなかなか診断しにくい疾患が含まれており、PSGの重要性を再確認することができました。

 今回の睡眠塾はCOVID-19の影響により、ソーシャルディスタンスに配慮された環境の中、縮小バージョンで開催されました。短い時間ながら、初学者にも配慮されており、楽しみながら受講することができた2日間でした。睡眠に興味はあるけれど、あまり詳しくないから参加を迷っているという方がいましたら、少しでも本文が参加への後押しとなれば幸いです。
 最後に、素晴らしい講義と様々な配慮をくださった先生方・スタッフの方々に、感謝を申し上げたいと思います。誠にありがとうございました。

徳島大学病院 脳神経内科 土師正太郎

OSHNet 第13回新PSG睡眠塾に参加して

 今回初めて睡眠塾に参加するきっかけは、PSGのraw dataをみて自身で評価できるようになりたいということでした。
 歯科医師がかかわる主な睡眠医療はOSAであるためか、PSG検査をせっかく行ったとしても、送られてくる検査結果レポートのAHI、SpO2、arousal indexなどの値をみるだけで、ヒプノグラムすら見ないこともあるような状況でした。しかし多くの患者さんと話をしていくうちに、睡眠の質ってなんだろう?'という疑問が湧いてくると同時に、その評価方法をわかっていないということに気づかされたわけです。
 そこで自身で成書をひろげていざ!となりましたが、脳波をみても波形の違いがよくわからない、アーチファクトかどうかも分からないとなり、基本的なことからPSGの読み方を教えてくれるところを探していたところ、同じように睡眠を真剣に考え、悩んでいた先生に紹介していただき、新PSG睡眠塾に出会うことができました。
 この睡眠塾は、少人数で、1泊2日で行われるため、合宿のような感じがするためか、基本的なことすぎてちょっと恥ずかしいと思うようなことでも気軽に質問することができ、疑問が解決しやすく、また様々なフィールドの先生方と話すことにより、睡眠に対する興味をさらに広げるにはとても良い環境でした。
 もちろん一回の参加ですべてわかるようになり、PSGのraw dataを自身でどんどん分析できるようにはなりませんでしたが、次のstep次のstepと自身のレベルにあわせて、得られるものが変わっていくのだろうなということが実感でき、また参加したいと思えるセミナーでした。

日本大学歯学部口腔外科学講座 佐藤貴子

 
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